【股関節形成不全】大型犬や胴長短足の犬種が罹りやすい病気の対策

 
【股関節形成不全】大型犬や胴長短足の犬種が罹りやすい病気の対策

我が家のコーギーが罹った股関節形成不全という疾患についてご紹介します。

コーギーといえば、まず真っ先に思い浮かぶのは、長い胴体に短い足の体型かと思います。

この胴長短足体型は、普段から背骨や腰に負担が掛りやすいため、腰や関節の病気が多いそうです。

【股関節形成不全】大型犬や胴長短足の犬種が罹りやすい病気

股関節形成不全とは

股関節形成不全とは、関節部分の骨の変形により、股関節が噛み合わないために起こる病気です。

(骨盤と股関節の発達が弱く、股関節の骨が骨盤の本来収まるべきところに収まりきっていない病気です。股関節が噛み合わないと、関節内に炎症が起こります)

「こかんせつけいせいふぜん」と読みます。遺伝性疾患だそうです。

一般的に両側の股関節に発症することが多いと言われていますが、片側だけに起こる場合もあります。

関節の状態によって症状は異なりますが、痛みが出て、散歩をしたがらなかったり、歩くときにおしりが左右に揺れるなどの様子がみられたりします。

股関節形成不全になりやすい犬種

大型犬(成長期)

ゴールデン・レトリーバーや、ラブラドール・レトリーバー、セント・バーナードなどの大型犬は、短期間で身体が大きく育つため、特に成長期に、骨の成長と筋肉の発達のバランスが崩れて、関節が不安定になりやすいリスクがあります。

胴長短足の犬種

コーギーやダックスフントなどの胴長短足の犬種も股関節形成不全に罹りやすい犬種です。

胴長短足だと、普段から背骨や腰に負担がかかかりやすいため、腰や関節の病気が多いと言われているからです。

我が家のコーギーが股関節形成不全と診断されるまで

突然後ろ右足を引きずるように歩き出す

2022年6月30日の夜のことでした。

それまで元気に走り回っていたのに、突然、後ろ右足を引きずるようにして歩き始めました。

そのうち、足を浮かせるようになりました。

当日はもう動物病院の診療時間が終了していたため、翌日すぐに動物病院に連れて行きました。

地元の動物病院では診断できない

罹りつけの動物病院ではレントゲンなどの設備がなく、診断名が付きませんでした。

都市部にある大きな動物病院で診てもらうまでの間、「なるべく動かさないように」とのことだったため、ケージの中に入れて生活させました。

都市部の動物病院で股関節形成不全の診断を受ける

足を引きずるようにして歩いていた原因は「脱臼」だと判明しましたが、それ以上に深刻な病気が見つかりました。股関節形成不全です。

「股関節形成不全の因子を持つ親犬から生まれて、生まれつき股関節形成不全の傾向があったのだろう」と獣医師に告げられました。

環境的要因が股関節形成不全のリスクを高める

犬の股関節形成不全は遺伝的な要因が7割、環境的な要因が3割と言われているそうです。

環境的な要因と対策

  • 肥満
  • 激しすぎる運動
  • 関節に負担がかかる生活空間
  • 足裏の毛
肥満

股関節形成不全の環境要因の1つ目は、食生活の偏りや食べ過ぎ、運動不足による肥満です。

過体重はそのまま腰や背骨への負担となります。

適切な食事の量や回数をしっかりと守った上で、しっかり散歩させましょう。

(※必要な食事の量や運動量は、年齢や犬種によって異なります)

激しすぎる運動

運動不足も肥満を招くため良くないですが、激しすぎる運動もよろしくありません。

関節にストレスを加える激しい運動を避けましょう。

関節に負担がかかる生活空間
フローリングの床は関節に負担を掛ける

室内犬の場合、フローリングの床も、股関節形成不全の痛みを悪化させる大きな要因となります。

滑りやすく踏ん張りが利かない床は、犬にとっては歩きにくいそうです。

出来る限りカーペットを敷いてあげましょう。

段差の昇り降りも関節に負担を掛ける

また、段差も関節に負担が掛かります。

段差のある空間に行かせないようにガードするか、ペットステップ/ペットスロープを利用して段差を緩やかにしましょう。

足裏の毛

足の裏の毛が伸びている場合も、滑りやすく踏ん張りが利かなくなるため注意が必要です。

定期的にカットするか、定期的にトリミングサロンに連れて行きましょう。

自宅でセルフカットする場合は、Neakasa P1 Proという製品がオススメです。

股関節形成不全と診断された我が家のコーギーが再び元気に走り回るようになるまで

療養1か月目~2か月目【減量】

前述の通り、胴長短足の犬種は特に、体重がダイレクトに腰や背骨への負担に繋がりやすいです。

我が家のコーギーも「体重を落とした方が股関節に負担が掛からない」と言われて、早速ダイエットに取り組みました。

と言っても、運動は足腰に負担を与えるため、ダイエットは食事療法が中心です。

(元々体重管理用のエサを与えていましたが、)動物病院に勧められたエサに変えて14㎏から10㎏まで落としました。(目標体重は8㎏です)

この頃から、体重が軽くなったせいか、痛み止めの薬を飲まなくても、足を地につけて立つようになりました。

療養3か月目【減量+散歩(5分)】

状態が良く、獣医師の許可も得たため、在宅時はケージから出して生活させています。

「散歩も5分程度の短時間から始めて徐々に時間を延ばしていきましょう」と言われました。

久しぶりに外に出したせいか、愛犬はとてもはしゃいでいるように見えました。

いつも通りの長いコースに向かおうとするので、心を鬼にして5分で散歩を切り上げたくらいです。

抱き上げた愛犬はとても軽くなったように感じました。

療養4か月目【減量+散歩(15分)】

少しずつ散歩の距離を増やして、今では15分コースで散歩するようになりました。

エサも体重コントロール用(満腹感サポート)のエサを継続して与えています。

状態が良いので、次回の診察は半年後ということになっています。

家の中で元通りに走り回る愛犬を見て、ほっと胸を撫でおろしています。

元気なうちに!愛犬の遺伝子検査

CTA-IMAGE 我が家の愛犬は、8歳のときに突然後ろ右足を引きずって歩くようになり、「股関節形成不全」と診断されました。 元々、この犬種には多い遺伝病だそうですが、もっと早く分かっていれば、家の中の段差を少なくして足腰への負担を減らして上げたり、食事に気をつけてあげられたのにな・・・と後悔しています。 犬の疾病も早期発見・早期治療が基本であり、早期発見は早ければ早いほど良いと言われています。愛犬が元気なうちに、将来の未病を把握して健康維持に役立てたいものですね。